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土づくり

土壌は、単に作物を支える役目だけでなく、養分の補給、水や空気を蓄えるなど重要な働きがある。

また、土壌中には有用な微生物が多く存在し、植物の生育を助ける。

適切な土づくりを行うことにより、根を健全に育て、病気や生理障害の発生を減らすことができる。


1.排水対策

停滞水や雨などによる地下水位の上昇は、大半の作物で、根に障害を与え、根腐れや土壌病害の発生の原因となる。特に気温の高い時期の栽培では、被害が大きくなる。

水田や排水の悪い畑では、ほ場周囲に排水溝(明きょ)を掘り、排水路へつなぐことが必要である。

明きょだけでは、排水が十分できない場合は暗きょも設置する。

また、周囲の排水路の水位が高く、明きょからの排水が困難な場合、強制排水を行う。

2.土壌酸度の矯正

日本の土壌は、自然のままではほとんどpH4.5~5.6程度の酸性土壌である。

一方、大半の作物は、pH5.6~7.0の弱酸性から中性でよく生育する。

これより酸性でも、アルカリ性でも生育が悪くなったり、微量要素欠乏が発生しやすくなる。

pHの数値と酸性度・アルカリ性度

表 土壌のpHと反応の評価

pH(H2O)評価 pH(H2O)評価
8.0以上強アルカリ性6.0~6.5微酸性
7.6~7.9弱アルカリ性5.5~5.9弱酸性
7.3~7.5微アルカリ性5.0~5.4明酸性
6.6~7.2中性4.5~4.9強酸性
  4.4以下ごく強酸性

ア.酸性障害

酸性土壌は植物の生育が不良になるばかりか、次のような障害が発生する。

  • リン酸が溶けにくくなり(土壌に固定される)、植物が吸収できなくなる。
  • 土壌中の石灰、苦土、微量要素(鉄・マンガンなど)が酸性で溶け出して、雨によって土壌から流れて失われ、各要素が欠乏する。
  • 強い酸性土壌では微生物の働きが低く、土壌中の有機物の分解が遅れる。
  • アルミニウムイオンが溶け出し、作物生育を直接阻害する。

酸性土壌を改良するには、炭酸苦土石灰などの石灰資材を施用する。

石灰資材は入れすぎるとアルカリ性に傾くので注意し、数年に1回pHを測定し、施用を検討する。

酸性が矯正できているほ場では施用を中止する。

イ.アルカリ性障害

一般の栽培ではアルカリ土壌にはならないが、炭酸苦土石灰などのアルカリ性資材を過剰に施用した場合やハウス栽培を続けた場合、アルカリ障害による生育不良や苦土、微量要素(鉄・マンガンなど)が吸収できなくなることがある。

表 主要作物の好適pH

作物名 pH 作物名 pH 作物名 pH
青ネギ 6.0~7.0 トマト 6.0~7.2 ミカン 5.5~6.5
アスパラガス 6.0~7.5 ナス 5.5~6.5 ユズ 5.0~6.5
イチゴ 5.5~6.5 ニラ 6.0~6.5 アスター 6.0~7.0
エダマメ 6.0~6.5 ニンジン 5.5~7.0 観賞用トウガラシ 6.0~6.5
カブ 5.5~6.5 ニンニク 5.5~6.0 キク 6.0~7.0
カボチャ 5.6~7.5 ハクサイ 6.0~7.0 グラジオラス 6.0~6.5
カリフラワー 5.6~6.6 バレイショ 5.2~6.5 サクラ 5.5~6.5
キャベツ 6.0~7.0 ピーマン 6.0~6.5 シキミ 5.5~6.0
キュウリ 5.5~7.0 ブロッコリー 5.5~6.5 シンテッポウユリ 5.5~6.5
ゴボウ 6.5~7.5 ホウレンソウ 6.5~7.5 スターチス・シヌアータ 6.0~6.5
コマツナ 6.0~7.0 実エンドウ 6.5~7.0 センニチコウ 6.5
サツマイモ 6.0~6.6 ミズナ 6.0~6.5 ナノハナ 6.5
サトイモ 5.5~6.8 ミニトマト 6.0~7.2 ヒマワリ 5.5~6.5
サヤインゲン 5.5~6.8 ヤマノイモ 6.0~6.5 ベニバナ 6.5~7.0
サヤエンドウ 6.0~7.5 リーフレタス 6.0~7.0 ユリ 5.5~6.5
シシトウ 6.0~6.5 レタス 6.0~7.0 ラークスパー 6.5
ショウガ 6.0~6.5 ワケギ 6.0~6.5 リアトリス 6.0~7.0
スイートコーン 5.5~7.5 イチジク 6.0~7.0 リンドウ 4.5~5.5
スイカ 6.0~6.8 ウメ 6.0~6.5 小豆 6.0~6.5
ソラマメ 6.5~7.0 カキ 5.5~7.0 こんにゃく 5.5~6.5
ダイコン 5.8~7.0 スモモ 6.0~6.5 大豆 5.5~7.0
タマネギ 6.0~7.0 ナシ 5.5~6.5 そば 5.5~6.5
チンゲンサイ 6.6~7.0 ピオーネ 6.0~7.0
ピーマン 5.5~6.5 ブルーベリー 4.2~4.8

3.完熟(十分腐熟した)たい肥の投入

作物の生育に適した土壌とは、一般に通気性、保水性がよく、加えて保肥力が適度にある土壌である。

こうした条件を満たす土は、気相、液 相、固相のバランスが保たれ、有機質に富んだやわらかい土で、団粒構造をしている。

このような土壌にするには腐植を増やすことが必要である。

腐植を供給するためには、完熟(十分腐熟した)たい肥などの有機物を施用することが必要である。

完熟たい肥などの有機物にはそれぞれ特徴があるので、種類や施用量に注意する。


ア.たい肥に含まれる肥料分と肥効

たい肥中に含まれる窒素、リン酸、カリの量は主原料に用いられる畜種(牛、豚、鶏)によって異なり、いずれの成分も牛ふん<豚ぷん<鶏ふんの順に高い。

また、同じ量を施用したときの肥効率は鶏フンが高く、次いで豚ぷん、牛ふんの順となっている。

このため鶏ふんや豚ぷんは肥料的効果が高く、逆に牛ふんは土壌改良資材的な性格が強い。

施肥においてはたい肥中に含まれる肥料分の肥効率を考慮し、化成肥料施用量を削減することができる。

牛ふんたい肥は施用した年の窒素肥効率は10~30%程度で、残りは翌年以降に持ち越されるため、連年施用では肥効が高まり、化成肥料施用量をさらに削減する必要がある。

イ.たい肥の腐熟化の必要性

未熟な有機物をそのまま土壌に施用すると次のような障害が心配される。

  • 有機物の分解に肥料が利用されるため、肥料切れが起きたり、微生物の急増により土壌中の酸素不足が起こる。

  • ガスや有機酸などが発生し、根に障害をもたらす。

    特に根菜類を栽培する場合は注意が必要である。

  • 窒素などの肥料としての効果は大きいが、施用量が多いと養分の過剰をもたらす。

  • 新鮮な作物の茎や葉のように糖類の多い有機物(簡単に分解される有機物)を施用すると、微生物によって、植物にとって有害な物質が作られたり、一時的に植物に有害な病原菌が増殖したりする。

  • タネバエなどの害虫発生の原因となる。

このような障害を防止するため、未熟な有機物は十分腐熟したたい肥にしてから施す必要がある。

協力:津山地域農業技術者連絡協議会
津山農業普及指導センター


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